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The Christmas Song
- 1944年 Mel Torme + Bob Wells -
クリスマス・ソングの定番中の定番と言っても過言ではありません。(注) 上は作曲者の一人、シカゴ出身のジャズ・シンガー、メル・トーメのクリスマス・アルバム。 "Christmas Songs"(Telarc 92年) メル・トーメの自伝(It Was't All Velvet)によれば、19歳の彼がLA(ロサンゼルス)近郊のトルーカ湖に住む友人のロバート・ウエルズを仕事の関係で訪ねたのは、44年7月のある暑い日。 しかし、ウエルズは出かけていて留守でした。ピアノの上に書きかけの4行詩がありました。 焼けている栗 雪の妖怪ジャック・フロストが鼻をつまみ コーラス隊はクリスマス・キャロルを歌い 人々はご存知のエスキモー風に着飾っている そこにテニスショーツに白いTシャツ姿のウエルズが帰ってきます。 「頭を冷やす為に何かを書こうと思ったけど、浮かんで来たのはクリスマスと寒い天気だけだった」とウエルズ。しかし、トーメはそれが素晴らしい結果を生むのではないかと思い、二人では続きを考え、メロディをつけてみました。こうしたキーワードを並べて作られた曲はカタログ・ソングと呼ばれています。 (詳細は These Foolish Things 参照) そして、わずか45分余りでこの曲を完成させたのです。 多くのアーティストがカバーしましたが、やはり、本命は、なんと言っても、ナット・キング・コールのものでしょう。46年にトリオで録音したものがヒットして以来、何度か彼はこの曲を録音しています。彼の死後も娘のナタリー・コールとのデュエット版まで作成されています。しかし、やはり、皆さんが最も耳にするのは、なんといっても、61年録音版でしょう。これはクリスマス・ソングのスタンダードを収録したアルバムには必ずと言って良いほど、収録されています。 "The Christmas Song"(Capitol)には46年、61年の両方が収録されています。 ♫♫ だから、このシンプルなフレイズを語りかけよう。 1歳から92歳までの子供たちへ。 幾度も色々な形で言われてきたけれど、 『クリスマス、おめでとう』 ♫♫ (歌詞全文はこちら) 注)ASCAPによるクリスマス・ソング/ホリデー・ソングの人気調査の結果→"Have Yourself A Merry Little Christmas"または「口上」の"Wish You A Merry Christmas ! "の頁参照 アフィリエイトのお知らせ 上記のアルバムに関心のある方は、アルバム名をクリックすれば、リンクしている販売業者のサイトで詳細を確認できます。購入の判断等はご自身の責任でお願いします。 #
by Eiji-Yokota
| 2007-12-14 17:11
| SONG
Have Yourself A Merry Little Christmas
-1944年 Hugh Martin + Ralf Blane -
クリスマス・ソングの一つ。 クリスマス・ソングあるいはクリスマス・キャロルの区分・全般的解説は、“We Wish You A Merry Christmas”を参照ください。 この曲に関しては、欧米ではクリスマス・ソングの定番として、すっかり定着し、その人気はあの"White Christmas"を凌ぐほど(注1)ですが、日本ではそれ程でもありません。 今回は日米間に横たわるギャップの「謎」についての「私見」を述べたいと思います。 この曲は44年に公開されたジュデイ・ガーランド主演のMGMのヒット映画“MEET ME IN ST.LOUIS”(邦題「若草の頃」)の挿入曲です。 一応、Hugh MartinとRalf Blaneの共作とクレジットされていますが、近年マーティンは「ブレインは励ましてくれたけど、曲作りには何もしていない」と述べているようです。 映画の舞台は、万国博覧会の開催を来年(1904年)に控えて、準備に湧きかえるセントルイス。そこに住む弁護士一家の1年間の物語をフルカラーで描いています。監督は、この作品が出世作となり、その縁で翌年ジュディと結婚したヴィンセント・ミネリ(そして二人の間に生まれた娘が、かのライザ・ミネリ)、更にこの他、当時名子役と言われたマーガレット・オブライエン、トム・ドレイク等の人気スターが勢ぞろいし、MGMとしては「風と共に去りぬ」に続く、ベスト2の興業成績を上げたと言われています。(一説では製作費170万ドル、興業収入756万6000ドルとか)この映画の詳細データはこちら。 なお、主演のジュディとプロデューサーのアーサー・フリードについては"Over The Rainbow"でやや詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。(曲名もクリックください。) 映画のラスト近く、一家は父の仕事の関係でニューヨークへ転勤が決まり、セントルイスを離れなければならなくなります。友達や住み慣れた土地、そしてようやく親しくなったジョン(トム・ドレイク)とも別れなければならない日が近づいて来ます。 今夜はクリスマス・イブ。 5歳の妹トゥティ役のマーガレット・オブライエンが姉のエスター役のジュディ・ガーランドに言います。 「ニューヨークになんか行ってしまったら、サンタに分からなくなってしまう」 「大丈夫よ、サンタは何でも知っているんだから」 そして、エスターはこの曲を優しくトゥティに歌いかけます。 自分自身の恋心、苦しい胸の内を押し隠して… ♫♫ あなたにささやかなメリークリスマスを。 心に明かりを灯しましょう。 来年にはトラブルは消えてなくなる筈 ♫♫ おそらく、この瞬間、この映画とこの曲はアメリカ人の心を鷲掴みにしたと私は睨んでいます。 当時、第2次大戦中の暗い世相に疲れたアメリカ人にとって、20世紀初頭の活気に溢れる古き良き時代のアメリカに対するノスタルジーをくすぐる魔力がこの映画にはあったのでしょう。 かくて、この曲は、クリスマス・ソングの定番となったのでした。 しかし、日本では映画の公開も51年と遅れた上、特段ヒットすることもありませんでした。この曲が日本では今一、知名度が低いのは、このお披露目の際のインパクトの差が後まで影響していると私は考えています。 さて、実はこの曲の歌詞はいくつかの種類が存在しています。 映画撮影の当初は上記の曲の出だしで、タイトルをコールした後、 It may be your last Next year we will all be living in the past と言う歌詞でした。(末尾でご紹介するDVD特別版参照) 「最後のクリスマス、来年は私達は全て過去の存在になる」 てな、意味になるでしょうか。 ジュディが「これでは、あまりに暗すぎる」とクレームし、その他の修正も加え、結局現在の詞になりました。 ジュディ・ヴァージョンを聴きたい方は、"Very Best of Judy Garland"(Warner 05年)をお勧めします。彼女の主演映画の主題歌・代表的な挿入曲が収録されており、映画スター、ジュディの全貌がつかめます。 しかし、これで終わりではありませんでした。 57年にフランク・シナトラがこの曲を採り上げるに際し、更にマーティンにラスト部分の変更を求めます。 「俺のアルバムのタイトルは"Jolly(陽気な)Christmas"って言うんだ。この部分をJollyに直してもらえないだろうか」と。 結局、「(再会するまで)耐えていきましょう」と言うくだりが、「一番高い枝に輝く星を飾ろう」と変更されたのです。恐るべしシナトラ!(注2) シナトラ・ヴァージョンは"A Jolly Christmas from Frank Sinatra"「シナトラとメリー・クリスマス」(Capitol)でどうぞ。 以後、カヴァーするアーティストの好みで、それぞれの歌詞が歌われています。(ガーランドも後にシナトラ版を歌っています) 因みに、有美さんはガーランド版で歌っています。 注1) 米国で人気のあるクリスマス・ソング 米国作曲家協会ASCAPが2007年11月12日発表した過去5年間でオンエアされたホリディ・ソングのランキングによれば、上位曲は次のとおり。カッコ内はその曲で最も多くオンエアされたアーティスト。 参考までに過去の集計も掲示しました。 こうして見ると、時代とともに曲の好みが微妙に変わっているのが分かりますね。 1.Winter Wonderland (Eurythmics) 2.The Christmas Song (Nat King Cole) 3.Have Yourself A Merry Little Christmas (Pretenders) 4.Santa Claus Is Coming To Town (Bruce Springsteen) 5.White Christmas (Bing Crosby) 2003年度 1.The Christmas Song 2.White Christmas 3.Santa Claus Is Coming To Town 4.Winter Wonderland 5.Have Yourself A Merry Little Christmas 1998年度 1.White Christmas 2.Santa Claus Is Coming To Town 3.The Christmas Song 4.Winter Wonderland 5.Rudolph The Red-nosesd Reindeer 注2) 3つヴァージョンの歌詞とこの曲についての関係者の動向 ご関心を持たれた方は、英語のサイトですが、比較的平易に丁寧に解説してあるENTERTAINMENT WEEKLYの特集記事をご参照ください。 アフィリエイトのお知らせ 上記のアルバムに関心のある方は、アルバム名をクリックすれば、リンクしている販売業者のサイトで詳細を確認できます。購入の判断等はご自身の責任でお願いします。 なお、上記映画のDVD(日本版)購入ご希望はこちら→映画「若草の頃」 #
by Eiji-Yokota
| 2007-12-14 16:39
| SONG
My Favorite Things
- 1959年 Richard Rodgers + Oscar Hammerstein Ⅱ-
スタンダード・ナンバー。 59年に初演されたミュージカル“THE SOUND OF MUSIC"の挿入歌。 冒頭画像は映画のサウンド・トラック版“The Sound Of Music" (RCA 1965年) ここで簡単にこの映画と原作のミュージカル、そして、更にその元になったトラップ・ファミリーについて触れておきましょう。 この映画・ミュージカルの原作はマリア・フォン・トラップ(1905/1/26~1987/3/28)の「トラップ・ファミリー合唱団物語」(49年) 邦版「サウンド・オブ・ミュージック (Modern Classic Selection)」(文渓堂 1997年) オーストリアから移住して来たこの家族合唱団はアメリカで人気を博し、彼女の原作もベストセラーとなりました。 56年、当時の西ドイツで映画化(Die Trapp-Familie)されヒットし、58年には続編も公開されました。 (邦題「菩提樹」) この映画を見た米国のブロゥドウェイ関係者達は、自分達なら、この作品をもっと完璧なものに出来ると考え、その権利を入手します。 しかし、彼等は最終的には、実際のトラップ合唱団のレパートリーを使用することを止め、原作をベースとはしたものの、全く独自のミュージカルを制作したのです。 More 続きはこちら #
by Eiji-Yokota
| 2007-12-14 14:58
| SONG
When I Fall In Love 「恋に落ちた時」
-1952年 Edward Heyman + Victor Young -
エドワード・ヘイマン(詞)とヴィクター・ヤング(曲)のコンビによって作られたスタンダードです。 ヤングが音楽を担当した1952年のアメリカRKO映画“ONE MINUTE TO ZERO"(邦題「零号作戦」)で使用され有名になりました。映画の内容は朝鮮戦争を舞台に、北朝鮮のゲリラ攻撃に苦戦する国連軍、その中で出会う二人のラブ・ロマンスを描いたものです。 この映画の詳細データ→こちら。 More 続きはこちら #
by Eiji-Yokota
| 2007-12-14 14:57
| SONG
You Raise Me Up
- 2001年 Brendan Graham + Rolf Lovland -
この日(2007年12月14日)のセットではオリジナル曲を除き、最も新しい曲。 彼女が人前でこの曲を歌うのはこの日が初めてでした。 北欧のニュー・エイジ・ミュージック・グループとして知られるSECRET GARDENが2002年に発表した"Once in a Red Moon"(Decca)に 収録されていた曲。 Secret Gardenは南ノルウェー出身のRolf Lovland ロルフ・ロヴランド(作曲家、プロデューサー、キーボード奏者)と、アイルランド出身Fionnuala Sherry フィオヌァーラ・シェリー(バイオリン奏者)のデュオ。 オリジナルでヴァーカルを担当したのは、ブライアン・ケネディ(カウンター・テナー)。 歌詞はアイルランドの小説家、Brendan Graham ブレンダン・グラハム (1945 - 代表作:"The Whitest Flower""The Element of Fire") あの"Danny Boy"が元歌となっています。 More ここをクリック #
by Eiji-Yokota
| 2007-12-14 14:55
| SONG
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