Naomi's Choice 小柳有美の歌った歌
by Eiji-Yokota
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I've Got A Crush On You    「あなたに首ったけ」

- 1928年 George Gershwin + Ira Gershwin -
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お馴染みのガーシュウィン兄弟がブロゥドウェイ・ミュージカルの為に書いた作品ですが、世に出る経緯はチョット複雑です。

まずは、1928年11月8日 Alvin Theatre(現在のNeil Simon Thetre)で公開された''Treasure Girl"の挿入曲として一旦世に出ました。
脚本はVincent Lawrence (1889 - 1946)、あの人気女優ガートルード・ローレンス("Someone To Watch Over Me" 参照)も出演しましたが、僅か68回公演のみ、翌年の年明け早々に打ち切られてしまいます。
一応、初演時のデータ等は、タイトルをクリックいただければ、IBDBのサイトで確認可能。
変人の金持ちが、自分の地所に10万ドルを埋め、見つけた人は自分のものにして良いと言い出し…

その仇打ちでもないでしょうが、二人はその前年に上演したミュージカル"Strike Up The Band"をリメイクして再演する際、曲の全面的入れ替えを行い、再びこの曲を引っ張り出します。
因みに、この入替えの際、カットされた曲の一つに、今やスタンダードとして名高い"The Man I Love"がありました。
さて、この"Strike Up The Band"は元々はGeorge S.Kaufman(1889 - 1961 脚本家、プロデューサー)の台本に、ガーシュウィン兄弟が作詞作曲したものでした。
オリジナル版のあらすじ:
米国チーズ会社の社長がスイス・チーズの締め出しを図り、50%の関税をかけさせ、遂にスイスと戦争が始まります。その社長令嬢と戦争に批判的な新聞記者のラヴ・ロマンスを絡め、一度は非国民の烙印を押された主人公が戦争のヒーローに。ハッピーエンドかと思われますが、問題が一つ。米国兵士が職を失ってしまうのです。そこで、キャビアに高い関税をかけることに。今度はロシアが艦隊を派遣したとの報が入って、「幕」…
痛烈な戦争批判、政治風刺の作品でした。
評論家の評価は高かったようですが、第一次大戦直後の勝利の余韻に浸っていたかった米国の観客には、受け容れられなかったようで、結局興行的には失敗に終わりました。
しかし、今日では、熟練した有名な劇作家が脚本を担当した初のミュージカルであり、"Show Boat"と共に、それまでのスター中心でおざなりのストーリーから原作を中心に構成されたミュージカルへ繋がる道を開いたミュージカル・コメディの歴史に残る作品と言われています。

ガーシュウィンとMorrie Ryskind(1895 - 1985 脚本家、プロデューサー、オリジナル版でコウフマンと共作)は再演に当たり、曲の入れ替えの他、風刺色を薄め、ロマンス色を濃くした(ついでに、チーズはアイラの提案でチョコレートに! 全ては夢の世界での出来事に変えられました)と言われています。
(残念ながら、私は脚本や当時の資料を直接確認出来ている訳ではありません)

冒頭の画像は、当該ミュージカル再演時のタイトル曲のオリジナル・シート

30年1月14日、再演版がTimes Square Theatre で公開され、191公演を記録。
詳細データは→IBDB
ま、一応成功、と言う感じでしょうか。

カウフマンのオリジナルの詳細はこちら→MUSICAL THEATRE INTERNATIONAL

なお、本ブログでもお馴染みのティーム、制作:アーサー・フリード、主演:ジュディ・ガーランド、ミッキー・ルーニーのコンビによる1940年MGM映画"Strike Up The Band"(監督:Busby Berkeley、脚本:John Monks Jr.+Fred F.Finklehoffe)は、タイトル曲を除き、本ミュージカルとは全く別の作品です。

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by Eiji-Yokota | 2008-06-17 21:11 | SONG | Comments(0)

The Girl From Ipanema / Garota de Ipanema          「イパネマの娘」 Part 1

- 1962年 Vinicius de Moraes + Antonio Carlos Jobin    /Norman Gimbel -
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ボサノヴァの名曲。 (上の画像は67年公開の同名映画のサントラ盤のジャケット)

1.誕生   The song was born
ブラジル、リオ・デジャネイロ。
その南部に位置するイパネマ。
そのほぼ中央部にその店はありました。
リオで一番うまいショッピ(生ビール)を飲ませるバール(軽食店)"Veloso(ヴェローゾ)"。
その日も昼間から常連の二人の男が仲間達と共に生ビールをあおっていました。
一人はヴィニシアス・ヂ・モライス、詩人にしてブラジル政府の外交官。(1913 - 1980 WHO'S WHO 参照 )
もう一人はトム・ジョビンことアントニオ・カルロス・ジョビン。(1927- 1994 作曲家、ピアニスト WHO'S WHO 参照)
モライスが詞を書き、ジョビンがメロディを生み出し、二人のコンビは50年後半からリオで興ったボサノヴァ・ムーヴメントを牽引してきました。

悪戯好きの「創造の神様」はこの時、一人のミューズを二人の前に遣わします。

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by Eiji-Yokota | 2008-06-17 20:01 | SONG | Comments(0)

It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)     「スウィングしなけりゃ意味がない」

- 1932年 Irving Mills + Duke Ellington -
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ジャズ界の最重要人物の一人、デューク・エリントンの代表作と言うだけでなく、ジャズそのものの永遠のテーマソングと言っても良い曲。

1.誕生の背景  スウィングする阿呆、しない阿呆

エリントンがこの曲を書いたのは、31年8月シカゴのパブ&レストランのLincoln Tavernに出演中の幕間だったと伝えられています。デュークによるファースト・レコーディングは32年2月2日。当時のBrunswickレーベル=後のColumbiaの前身=へのものでした。 (Br 6265)
35年のBenny Goodman等が人気を博す所謂「スウィングジャズ」時代の到来に先駆けること、実に3年!(確認出来る限りでは、"Swing"と言う単語を歌詞やタイトルに最初に使用した曲)

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by Eiji-Yokota | 2008-06-17 20:00 | SONG | Comments(0)

Misty

- 1954年 Erroll Garner + 55年 Johnny Burke -
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ジャズ・ピアニスト、Erroll Garner エロル・ガーナー(1921 - 1977)(米:ピアニスト・作曲家 詳細は名前をクリック)生涯の傑作
ガーナーのメロディにJohnny Burke ジョニー・バーク(1908 - 1964)(米:作詞家 詳細は名前をクリック)が翌年詞を付けました。
多くのアーティストに愛され、直ぐにスタンダード・ナンバーの仲間入りを果たします。
その人気の程は"Misty"と言う名前のカクテルが何種類も生まれたことでも推し測れます。

この曲の誕生の瞬間を伝える有名なエピソードがあります。
それもいくつかのバリエイションがあるのですが、一番知られているのは、下記です。

その日、ガーナーはシカゴからNYへ(この逆と言う説もある)飛行機で向っていました。
窓の外に広がる霧(虹と言う説もある)を眺めているうちに、突然彼は曲想を思いつきます。しかし、実は独学でピアノをマスターした彼は譜面を書くことも読むことも出来なかったのです。思いついたメロディを忘れないように機内で何度も必死にハミングを繰り返し、空港に着くや否やタクシーを飛ばし、ホテルでピアノとテープレコーダを借りて、この曲を吹き込み、事なきを得たのです。
あるいは、空港から駆け付けたのはスタジオだった、いや自宅だったと言う異説も…
また、離陸前の窓から見た霧だったと言う説、機中で奥さんのことを考えていたと言う説や、単純にSFの霧を念頭に置いたと言う説まで…
とにかくやたら様々なバリエイションがあるのですが、ガーナー亡き後の今となっては真相は藪の…、いえ、霧の中ですね。

あわや、名曲が忘却の淵に沈まんとすることを辛うじて食い止めたガーナーでしたが、あらためてあまりの曲の出来の良さに、これはどこかで聴いた誰かの曲ではないだろうか、と訝しがったようです。
これもどこかで聞いた様な話ですね。
そう、あのポール・マッカートニーが夢の中で"Yesterday"のメロディを思い付いた時にも、彼は同じ気持ちになり、周囲に「こんな曲聴いたことないかい」と聞いて回ったようです。

54年7月27日 ガーナー、同曲を録音。
メンバーは Wyatt Ruther(b) 、Eugene "Fats" Heard(ds)
インストゥルメンタル部門で最高30位を記録しました。
この曲が収録されたオリジナルアルバムは"Contrasts"(EmArcy 54年)。右上画像参照
アルバムの録音に立ち会ったマネージャーのMartha Glaserが、ロマンチックなバラードとハードにドライヴする対照的な2種類の曲群があることから、このタイトルに決めたそうです。

おそらく、楽譜の更なる売り上げを狙った出版社の要請を受けてのこととと思われますが、インストゥルメンタルでリリースされ、既に一定の人気を得ていたこの曲に詞を付ける作業は流石のジョニー・バークでもプレッシャーがあったようです。
しかし、そこは才人バーク、独自の世界を展開してくれました。
霧から連想される「悲しみ」とか「ノスタルジー」等のありがちな連想をを排し、優しく愛される「とまどい」を謳いこんだのです。

 ♫ 私を見て
   木の上で降りられずにいる仔猫のよう
   雲にすがりついているような気持ち
   あなたの腕に抱かれていると霧に包まれているよう

歌詞全文は→こちら

誰が何と言おうと、この曲の極め付きは、Sarah Vaughanでしょう。
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彼女の代名詞の様になっている曲で、何度か録音・リリースしていますが、その最初のレコーディングをご紹介しましょう。
58年7月7日、サラはQuincy Jones クインシー・ジョーンズ (1933 - )のプロデュース、アレンジでパリで"Vaughan and Violins"(Mercury 59年)録音。
クインシーは直接、ガーナーからこの曲のリードシートと出来たばかりの歌詞を受け取って録音に臨みました。当時のヨーロッパはちょっとしたジャズ・ブームで、米国から多くのアーティストが訪れていました。本国と違い、人種差別の意識が相対的に低いヨーロッパでは黒人アーティストも正当に評価され、リスペクトを受けました。金銭的にも米国より優遇されていましたので、ヨーロッパに移住するジャズ・マンも少なくありませんでした。クインシーは、フランスのバークレイ・レコードの音楽監督、編曲者、指揮者としてパリに滞在し、一方でストラヴィンスキーの直弟子であるナディア・ブーランジェに師事し、本格的に音楽を勉強していました。MJQのオリジナル・メンバーだったKenny Clarke(ds)は移住組の一人で、このアルバムに参加しています。ベースは曲によって、フランスを代表するPierre Michelotとクラシックとジャズそして欧米のそれぞれ二つの世界で活躍したRichard Davisが交替し、ピアノはサッシーとつながり深いRonnell Bright。そしてこの曲ではZoot Simsがバックでサックス・ソロを聴かせると言う豪華な顔ぶれでした。

現在、このアルバムはジャケットを変え、"Jazz in Paris"シリーズの1枚として発売されていますが、("Jazz in Paris: Vaughan and Violins"(Mercury 03年))オリジナルのフォーマットに拘らないのでしたら、このブログでも度々採り上げている"Misty"(Mercury/Polygram)の方が入手も容易で、後記の通り「お得」でしょう。
実は、サッシーはその後、一旦Mercuryを離れてRoulettレコードと契約をしますが、63年再びMercuryレコードに戻ってきます。その時、クィンシーはMercuryレコードの副社長を務めていました。彼女のデンマーク・ツアーに同行したクインシーによって、名盤の誉れ高い"Sassy Swings the Tivoli"(63年7月18-21日)が収録されます。ここでの"Misty"も素晴らしい出来です。余生をかって、二人は58年のアルバムの続編とも言うべき"Vaughan and Voices"(コペンハーゲン 10月12日)を録音。この2枚をカップリングしたものが、先のアルバム"Misty"です。
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しかし、この曲をヒット・チャートに送りこみ、多くの人に知らしめたのは、Johnny Mathisです。彼のヴァージョン(59年)はチャートで12位になり、ゴールドディスクにも輝きました。以後、彼の代表作ともなっています。
右の"Heavenly"(Columbia)に収録されています。




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ここでインストゥルメンタル盤を一つご紹介しましょう。
ヴァルヴ・トロンボーン(注1 )の名手Bob Brookmeyer ボブ・ブルックマイヤー (1929年12月19日-)(米:音楽家 詳細は名前をクリック)の"Bob Brookmeyer and Friends" (Columbia 64年)
メンバーが豪華です。
嘗てボブのボスだったStan Getz(ts)を始め、Gary Burton(vib)、Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Elvin Jones(ds) ! 更に1曲だけですが、Tony Bennetteがゲスト参加して歌っています。
ここで繰り広げられているのは火花の散る熱いジャム・セッションではなく、ウエルメイドながらリラックスした、しかし洗練されたサウンドです。「ハードバップ命」の人には向かないかも知れませんが、知る人ぞ知る名盤として一部では結構人気の高いアルバムです。
通常、このブログでは入手しやすい定番を主体にご紹介していますが、このアルバムは残念ながら現在廃盤のようです。再発を待ちましょう。待てない人は中古屋へ…(一応、上のアルバム・タイトルをクリックするとアマゾン経由で一部の中古業者さんの在庫が確認出来ます)

最後に"Misty"の人気ぶりをもう少し。
ガーナーの「紳士録」(WHO'S WHO)でも触れていますが、おそらくガーナー本人より、この曲の方が有名で人気があるのではないでしょうか。「ガーナーの名曲"Misty"」ではなく、「"Misty"の作者、ガーナー」みたいな…
この曲の人気のバロメータは冒頭のカクテルに留まらず、そのネーミングがジャズ喫茶、ライヴハウス、レストランの類からブログやHP果ては会社名にまで及んでいることからも肯けます。
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映画でも、Clint Eastwood クリント・イーストウッドが監督デビュー(勿論、本人が主演)したサイコ・ホラー映画"Play Misty for Me「恐怖のメロディ」"(Universal 71)のタイトルを飾りました。

因みにGoogle(Japan)で"Misty"と検索すると、27百万件以上ヒットと表示されます。



*************************

注1) ヴァルヴ・トロンボーン
トロンボーンは通常スライドを伸縮させて音の高低を出しますが、トランペットやサックスのように(3個以上の)ヴァルヴを備えたものもあり、これをヴァルヴ・トロンボーンと呼びます。スライド式トロンボ-ンはスライドさせる為に早いパッセージが吹けない等の難点があった。そこで19世紀にヴァルヴ(ロータリー)が発明されると、ヴァルヴ・トロンボ-ンが誕生し、一時はスライド式を凌ぐまでに普及。その後、演奏技術の向上により、スライド式が再び主流となる。現在では、クラシックよりジャズの分野で使用されることが多い。奏者としては、ボブ・ブルックマイヤー、ファン・ティゾールが有名。
イメージが湧かない人は、ボブの「紳士録」に彼がヴァルヴ・トロンボーンを吹いているイラスト・ジャケットを掲示していますので、参照ください。→こちら

アフィリエイトのお知らせ
上記のアルバム・ヴィデオ、書籍等に関心のある方は、タイトル名をクリックすれば、リンクしている販売業者のサイトで詳細を確認できます。購入の判断等はご自身の責任でお願いします。
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by Eiji-Yokota | 2008-06-17 19:58 | SONG | Comments(0)

Secret Night 2nd 

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2008年6月17日(火) 19:45~ 福岡中央区 ニューコンボ

小柳有美 vocal
岩崎大輔 piano  菅原高志 drums 小牧良平 bass

*** 1st Set ***
Day By Day
The Boy(Girl) From Ipanema
Misty
True Love
TAKEDA
It Don’t Mean A Thing

*** 2nd Set ***
You’ve Got A Friend
I've Got A Crush On You
Summer
あなたのいた場所に
You’d Be So Nice To Come Home To
Isn’t It Romantic?
Ev'ry Time We Say Goodbye

*** encole ***
That's All

(記事=曲解説が掲載されている曲はクリックすれば、リンクされている頁が開きます)
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by Eiji-Yokota | 2008-06-17 00:38 | SETLIST | Comments(0)