Naomi's Choice 小柳有美の歌った歌
by Eiji-Yokota
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Summertime  Part 3   "Porgy and Bess"

- 1935年 George Gershwin + DuBose Heyward -
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今回採り上げた"Summertime"はポピュラー・ファンで知らない人がいない程、有名で人気のある曲です。
Part1ではこの曲の背景、Part2ではカヴァー曲について見てきました。
Part3では、本曲以外にも多くのスタンダード・ナンバーを生んだ、ガーシュウィンの傑作オペラ"Porgy and Bess"のストーリーついて見ていきましょう。
今でこそ「米国が産んだ国民的オペラ」とか「20世紀最大の音楽遺産」と最大級の賛辞を寄せられていますが、既に見てきたように、初演時は決して高く評価されていた訳ではありませんでした。

オペラ版"Porgy and Bess"のストーリーのご紹介の前に、原作である小説版"Porgy"との違いについて簡単に触れておきます。
タイトルに象徴されているように、小説版ではベスの存在は相対的に低く、キャラクターとしても類型的です。また、オペラ版では狂言廻しともトリックスターとも言うべき、飛び切り印象的な小悪党として存在感を見せるスポーティン・ライフに至っては小説版では殆どチョイ役に過ぎません。
しかし、一番違うのは結末です。
小説版では、ポーギィが全てを失い悲劇的な終わりを迎えますが、オペラ版では、ポーギィはベスを求めNYへと旅立ちます。絶望的な状況の中、一筋の「希望」の光明が認められます。

ご注意:本文末尾に2個のテキスト広告が表示されることがありますが、これはブログの運営会社エキサイトが行っているものであり、当ブログは全く関与しておりません。




オペラ版"Porgy and Bess"は、いくつかのヴァージョンがありますが、ここでは、ガーシュウィンのオリジナル版(後記)に沿って、それぞれの歌の背景も理解出来るように、少し詳しくご説明します。
なお、オリジナルでは劇中の会話は所謂レシタティブrecitative形式で歌う様に喋られますの(正確には喋る様に歌われている)で、独立した歌と見分けがつかないものも存在しています。

併せて、有名曲のカヴァーもご紹介。
数あるカヴァーから次の基準で選んでいます。
1.これまで紹介してないアルバム
2.そのアーティストの代表的アルバムだが、特に「ポーギィとベス」や「ガーシュウィン」に焦点を中てたものでないもの
3.アーティストはビッグネーム

"Porgy and Bess"の曲集は持っているが、聞いたことはあるが、どの曲がどこでどのような位置づけで歌われたか分からないと言う方の為、この解説を読みながら、CD等を聴くと、その曲の前後関係が分かるようにしました。


時代:1920年代 
(実は特定されていません。原作の冒頭は、こう書かれています;
Porgy lived in the Golden Age.
Not the Golden Age of a remote and legendary past;
したがって、原作が書かれた頃、すなわち1920年代と解しました)

場所:南カロライナ州チャールストン、海岸近くのキャットフィシュ・ロウ(ナマズ横丁)とその近辺
そこはかつては上流階級のマンションだったが、現在は黒人達のアパートとなっていた。

主な登場実物:
Porgy ポーギィ: 足の不自由な乞食 (bass-baritone)
Bess ベス: クラウンの恋人 (soprano)
Crown クラウン: 沖仲士 (baritone)
Sporting Life スポーティン・ライフ: 麻薬密売人 (tenor)
Jake ジェイク: 漁師 (bariton)
Clara クララ: ジェイクの妻 (soprano)
Robins ロビンズ: 漁師(tenor)
Serena セリナ : ロビンズの妻 (soprano)
Maria マリア: 住人の一人 (cont)


第1幕第1場、ナマズ横丁の中庭。夏の夕方。

Introduction ~ Jasbo Brown Blues
ジャスボ・ブラウンのピアノに合わせ複数組の男女が踊っている
クララ、赤ん坊を抱えて登場。
クララ:Summertime
男達がクラップ・ゲーム(2個のサイコロを使う賭博)に興じている。
スポーティン・ライフがHappy Dust「幸せの粉(麻薬)」を売っている。
ロビンズの妻セリナは夫のギャンブルを止めようとするが男たちは取り合わない。
男達:Oh Nobody Knows When the Lawd is Goin' to Call~
    I Been Sweatin' All Day

クラップに男達が興じる歌声の中、クララがSummertimeを再び歌う。
夫で漁師のジェイクは妻から赤ん坊を取りあげ、別の子守歌を歌う。
ジェイク他: A Woman Is A Sometime Thing
盛りあがっているところに、蜂蜜売りのピーターが、そして山羊に曳かせた車で乞食のポーギィが登場。
ピーター:Here Come De Honey Man
ポーギィは足こそ不自由だが上半身は頑強、クラップが得意だった。
彼がクラウンの情夫ベスに横恋慕しているのをジェイク達がからかう。
ポーギィ: They Pass by Singing
(When Gawd make cripple, he mean him to be lonely)
大柄な沖仲士のクラウン。その情夫ベスが登場、彼女は皆から浮いている。
クラウンはスポーティン・ライフから買った酒を飲みながら、ゲームに興じるがロビンズの口論になる。
クラウンは綿包みの吊り鉤(ひっかけ棒:ボックス状に畳んだ綿花をこれで引き上げて担ぐ)でロビンズを殺してしまう。
クラウンは逃亡。皆はトラブルを怖れ、一斉に家に閉じ籠る。
震えの止まらないベスをスポーティン・ライフがをニューヨークに連れて行こうとするが彼女は撥ねつけます。
しかし、誰一人としてナマズ横丁の住人は彼女を匿おうとはしませんでした。
そんな中、ドアを開けて手を差し出すものが---ポーギィでした。

第1幕第2場 翌晩のセリナの部屋

ロビンズの遺体がベッドに置かれ、胸のあたりに皿が置かれている。
会葬者:Gone, Gone, Gone
彼等はそれぞれ皿に金を置く。
ベスがポーギィと現れ、皿に金を置こうとするが、セリナはそれを拒絶。
ベスが「今はポーギィと暮らしており、これはポーギィの金だ」と告げ、それを聞いてセリナも受け容れる。
会葬者:Overflow
警察が来て蜂蜜売りピーターを殺人の目撃者として連行。
警官達は遺体を明日中に埋葬しないと医学生の実験用にすると宣告し引き揚げる。
セリナ: My Man's Gone Now
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(右画像は同曲収録のBill Evansの代表作 "Sunday at the Village Vanguard"(Riverside 61年) 若くして亡くなったスコット・ラファロとのトリオによるライヴの名演です)

ロビンズを埋蔵するには皿の中の金だけでは不足していたが、セリナの懇請に負けた葬儀屋は引き受けることに。

一人、皆から離れて座っていたベスが歌いだす。
やがて会葬者全員が加わる。
ベス&会葬者:Leavin' fo' de Promis' Lan (The Train Is at the Station)

第2幕第1場  1か月後の中庭

男達が漁網の修理をしている。
ジム、ジェイク他:It Takes a Long Pull to Get There
クララはジェイクに「今は9月で嵐がくる季節、漁に出ないで」と懇請するが、逆になだめられてしまう。
ポーギィが窓辺で歌う。
ポーギィ: I Got Plenty O' Nuttin'
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(右画像はFrank Sinatraの若き日の傑作"Swingin Affair"(Capitol 57年) シナトラの同曲の快唱が聴ける)

ベスが来てからというもの、ポーギィが幸せだということは皆が知っていた。
スポーティン・ライフが現れるが、マリアに追い返されてしまう。
マリア:I Hate Yo' Struttin' Style
弁護士フレイザー登場。
親切ごかしに、ベスにクラウンからの「離婚状」を1ドルで言葉巧みに売りつけようとする。
ベスとの暮らしを大事にしたいポーギィが応じると、更に結婚してない女を離婚させる為には専門家の腕がいると50セントを上乗せし、たった1ドル50セントでちゃんとした女になれると要求を吊り上げる。
ポーギィ、ベス、フレイザー他:Woman to Lady
そこにピーターの前の雇い主で白人のアークデールが自分が身元引受人となってピーターを釈放させることをポーギィに知らせに来る。
アークデールはフレイザーとその手口を知っており、その場で離縁状の代金をポーギィに返却させる。
その時、ポーギーは空に災難の象徴とされるバザード(禿鷹)を見る。
ポーギィ:Buzzrd Song
スポーティン・ライフが再び現れ、ベスに忍び寄り、薬を売りつけようとする。
ポーギィが気付いて追い払う。
二人だけになり、ポーギィとベスは二人の愛を誓う。
ポーギィとベス:Bess, You Is My Woman Now
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(右画像は同曲を収録したTeddy Wilsonの"Mr.Wilson"(Columbia 50年) 所謂歴史的名盤等の大袈裟な形容詞は付きませんが、粋で洗練されたヴェテランの歌心を堪能出来る大人のアルバムが現在廃盤とは嘆かわしい限りです)


ナマズ横丁の住人: Oh, I Can't Sit Down
マリアがバスケットを抱えて現れベスにピクニックに誘いに来る。
ベスは足の不自由なポーギィと残していく気になれないが、ポーギーはナマズ横丁の住人が受け容れてくれたことを喜び、「行ってくれれば俺は嬉しいよ」と言う。ベスは出かけることにする。
ポーギィ:I Got Plenty O' Nuttin'

第2幕第2場 キティワ島でのピクニック

一同が騒ぎ、踊っている。
住人一同:I Ain't Go nu Shame Doin' What I Like To Do
スポーティン・ライフは嘲笑するように、聖書に書かれていることを揶揄する。
スポーティン・ライフと一同:It Ain't Necessarily So
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(右画像は、Peggy Leeの代表作"Black Coffee"(Decca 56年)アンニュイな彼女のヴォカールはこの曲のブルージーな魅力を伝えます)

セリナがスポーティン・ライフや同調する者を咎め、騒いでいる皆に説教し、ピクニックの終わりを告げる。
船に急ぐベスの前にクラウンが現れる。
ベスは自分は既にポーギィの女だと言う。
ベスとクラウン:What You Want Wid Bess? 
クラウンは椰子の茂みにベスを無理に連れ込む。

第2幕第3場 中庭、夜明け前

漁師たちは朝早く仕事に出かける。嵐の予兆…
漁師達:Honey, Dat's All de Breakfast ~ It Takes a Long Pull to Get There
ベスは島から独力で帰ってきたものの病気になり、1週間もの間、幻覚にさいなまれている。
彼女はピクニック後の二日間森の中をさまよっていたのだ。
ピーターが釈放されて戻ってくる。
ポーギィはセレナにベスの為に祈ってくれと頼む
セレナ:Oh, Doctor Jesus (Time and Time Again)

市街の物売りの叫び声が夜明けの中庭に響く。
苺売りの女:Oh Dey's So Fresh an Fine
ピーター:Here Come De Honey Man
蟹売りの男:I'm Talkin' About Devil Crabs

ベスは回復に向かうが、クラウンから迫られ、それに応じた呵責とクラウンの対する恐怖に怯えている。
ポーギィは、クラウンの元へ行くかどうか自分で決めろとベスに言う。
ベスは、ここにいたいが、自分はその価値はない女だと卑下。
ポーギィはそんなベスを受け入れる。
ポーギィとベス:I Loves You , Porgy (I Wants to Stay Here)
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(右画像は同曲を収録した Nina Simoneのデビュー作 "Little Girl Blue"(Bethlehem 57年) ニーナはこの曲のヒットで世の注目を集めました)

ハリケーンの襲来を告げる鐘が鳴り響く、夫の名を呼び、気を失うクララ。

第2幕第4場 嵐の最中、セレナの部屋

六重唱:Oh Doctor Jesus 他
全員:Oh de Lawd Shake de Heaven
クララ:Summetime
嵐の中、ドアを叩く音がして、突然、クラウンが現れる。
彼は皆の祈りに悪態をついて冒涜し、ベスを連れ出そうとする。
クラウン: A Red-Headed Woman 
窓際にいたベスはジェイクのボートが転覆するのを見る。
クララは夫を助ける為赤ん坊をベスに預け、嵐の中に飛び出す。
クラウンは一同の恐怖を嘲笑い、後で決着をつけようと言って外に飛び出す。
一同:Oh Doctor Jesus

第3幕第1場 夕暮れの中庭
クララ、ジェイク、クラウンの葬儀が行われている。
一同:Clara, Don't You Be Downhearted
スポーティン・ライフの哄笑が響く。
怒って詰め寄るマリア。
スポーティン・ライフは「男が二人できると、大概は刃傷沙汰が始まり警察が来て、それでお別れ。女は直に男が一人もいなくなるのさ」と予言めいた言葉を残す。
ベスがクララの赤ん坊を抱いている。
ベス:Summertime
実は生きていたクラウンがポーギィの窓の下から忍び入ろうとする。と、窓の戸が開きナイフがクラウンの背中に突き刺さる。ポーギィは彼の首を締め彼の死体を中庭の真ん中に投げ込む。
ポーギィは勝ち誇ったようにベスに言う。「これでお前の男が決まった。」

第3幕第2場 翌日の午後、中庭

刑事や検視官は、セリナを疑っているが、彼女は仮病を使いアリバイを申し立てる。
刑事達はクラウンの死体確認のため、ポーギィを連れて行こうとする。
スポーティン・ライフが「それがお巡りのやり方だ」とクラウンの顔を正視できないポーギィを不安にさせる。
抵抗するポーギィを無理やり連行する刑事達。
スポーティン・ライフはベスに、ポーギィは少なくとも1、2年は刑務所にいるだろうと言い、彼は彼女に「幸せの粉」を与える。一度は拒否したベスだったが、突然彼女は自ら薬を口にする。
スポーティン・ライフとベス:There's A Boat Dat's Leavin' Soon For New York
彼女はポーギィの部屋に走って行くが、彼は更に「幸せの粉」を階段に放り投げる。
彼が去ったとき、ベスが薬を手にすることを確信して。

第3幕第3場 1週間後の中庭の朝

住人一同と子どもたち:Good Morning , Sistuh ~ Lalala~How Are You This Mornin' ?
ポーギィが監獄から戻ってくる。収容所で収監者からクラップで巻き上げた戦利品をもって。
皆にそれを得意げに配るポーギィ。
ポーギィ:Dem White Folks Sure Ain't Put Nuthin'
(I Got Plenty O’ Nuttin' のメロディ)
やがて、人々が次第に遠ざかる。
彼はベスの姿がないのに気づく。
そしてクララの赤ん坊は今セリナが抱いているのに気付く。
ポーギィ:Bess, Oh Where's My Bess?
マリアがポーギィに、スポーティン・ライフがベスにポーギィが生涯監獄にいるだろうと信じさせたと告げる。
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(このMJQの名盤も現在廃盤とは残念です。Modern Jazz Quartet at Music Inn (紙ジャケット仕様) (Atlantic) 56年8月28日Music Inn でのライヴ盤。同所でのライヴはソニー・ロリンズとの共演が有名ですが、こちらはジミー・ジェフリーとの共演盤。但し、この曲にはジェフリーは参加しておりません。本セッションの拡大版もリリースされています。なお、65年4月にMJQは同曲を含む"Porgy and Bess"集を録音しています。)

「ベスはどこへ行った?」
「ニューヨーク」
「ニューヨーク? そいつは一体どこだい?」
「ここから1000マイルもあらあ」
「ニューヨークはどっちの方向だい?」
「税関を通ってずっと北だよ」
ポーギィは山羊を連れてくるように頼む。
そして、一人、山羊に曳かせた車で遙かなNYを目指しベスを求めて旅立つ。
ポーギィ:Oh Lawd, I'm On My Way

-幕ー
-------------------------------------------
Summertime は、上記のとおり、冒頭で歌われた後、劇中で更に2回歌われます。
即ち、夫の帰りを心配するクララと、両親を失った赤ん坊を抱きしめるベスによって。
単純な歌詞も、置かれた状況によって内包する意味が異なってくる訳です。
また、この作品ではコミュニティの重要さもポイントです。
当初ベスはコミュニティから浮き、仲間外れでしたが、ポーギィを愛し、地に足の着いた生活をすることによって次第に周囲に受け容れられ行きます。
結局、ベスは誘惑に負け、スポーティン・ライフとNYへ旅立ち、コミュニティを離れます。
赤ん坊の存在も絶妙な小道具として見逃せません。
最初はクララ、次にベスへ、そして最後はセリナへと受け継がれます。
希望、不安、絶望、そしてまた希望と、それはまるで住民達の気持を代弁しているかのようです。
そしてNYへのポーギィの旅立ちを見送ります。

【 オペラ"Porgy and Bess"の上演 】

35年9月23日 カーネギィ・ホールにて、トライアウトに先立ち、全役者とオーケストラがコンサート形式で全曲を演奏しました。ガーシュウィンの楽譜どおり1音も削除せず。
その結果、上演時間は4時間を超えたと言われています。
このブログでオリジナルと呼ぶのはこのバージョンです。
ガーシュウィンは冒頭のJasbo Brown BluesやBazzard Song の割愛に同意します。
商業的成功を優先させたのです。

35年9月30日 ボストンでのトライアウトは熱狂的に迎えられたましたが、ジョージや演出家のマムーリアン、合唱指揮者のアレクザンダー・スタイトナー等は更なる削除を話し合い、"Bess, Oh Where's My Bess ? "は独唱に、嵐の六重唱もカットされ、レシタティヴも普通の会話に、その会話自体も更にカットされました。

こうして迎えた、10月10日のアルヴィン・シアターのギャラ・オープニングだったのです。
結果として124回公演を記録しますが、ミュージカルの公演では短期興行の部類に入るでしょう。
単純比較はできませんが、8年前のストレート・プレイ版"Porgy"の367回公演を大きく下回ります。
同じガーシュウィンの作品でも、好評だった"Of Gee I Sing"(32年)の441回、"Strike Up The Band"(30年)の191回、"Funny Face"(27年)の244回、"O Kay!"(26年)の156回等と比較しても、劇場が異なる等の要因はありますが、一連のミュージカルに比べ決して多い数とは言えません。
しかし、オペラの公演となると、結構な長期公演であることは間違いありません。
そして、この作品は紛れもなくオペラでした。
当時のオペラの殿堂であるのメトロポリタン劇場を使わなかったことについては、諸説があります。
当時の支配人の一人、オットー・カーンは上演に乗り気だったと謂われています。
ジョージ自身が大衆に親しんでもらいたくてブロウドウェイのシアターを選んだと言う説もあれば、34年にオットーが亡くなると、他の支配人達がジャズ・オペラに拒絶反応を起こしたと言う説もあります。

いずれにせよ、ロシアからのユダヤ移民の子、ガーシュウィンが長い毀誉褒貶の後、「米国が生んだ稀代の作曲家」として、メトが迎え容れるのは85年2月6日迄待たねばなりませんでした。
初演からは実に50年の歳月が経っていました。

本来はこのオペラがその後辿った道のりと代表的なアルバムも併せて紹介する予定でしたが、ブログのキャパの限界が近づいてきましたので、別の機会に譲ります。

因みに、初演の興行費用にはいくつかの説がありますが、通説では7万ドル。
流石にオペラは制作費がかかります。
ジョージとアイラがその15%、ヘイワードが5%を出資、残りをシアター・ギルドが負担しますが、到底回収出来なかったようです。
ジョージは僅かな上演料を受け取りますが、写譜屋への支払いに消えていまい、ヘイワードも自宅購入の夢をあきらめざるを得ませんでした。

ジョージ・ガーシュウィンは、この僅か2年後、脳腫瘍で亡くなります。38歳でした。

死の直後に算定された作品の資産価値は、
「ラプソディー・イン・ブルー」2万125ドル
「パリのアメリカ人」5千ドル
「ポーギィとベス」は僅かに250ドル
でした。



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by Eiji-yokota | 2010-08-22 14:03 | SONG
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