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Summertime Part 2
- 1935年 George Gershwin + DuBose Heyward -
Part1 から続く Part2では、カヴァー曲のご紹介を中心にお話しします。 (冒頭の画像はオムニバス盤「サマータイム」(ユニバーサル 05年) エラ、サラ、カーメンからナラ・レオン、カエターノ・ヴォローゾまで。) 今日ではガーシュウィンの作品の中でも代表作と目され、最も有名で人気も高く、スタンダード・ナンバーとして不動の地位を占めるに至っていますが、Part1でも触れましたが、発表当初はオペラ自体もこの曲も、必ずしも世間は万雷の拍手で迎えた訳ではありませんでした。 特に、アフリカ系アメリカ人は、デューク・エリントンを始め批判的姿勢を見せていました。 まがいもの、借り物のニグロ音楽、古臭い音楽形式…と言う訳です。 ご注意:本文末尾に2個のテキスト広告が表示されることがありますが、これはブログの運営会社エキサイトが行っているものであり、当ブログは全く関与しておりません。 【 ガーシュウィンとエリントン 】 同世代でほぼ同じ時に同じNYを中心に活躍した、共に20世紀を代表する米国音楽界の2大巨人、ジョージ・ガーシュウィン (1898/9/26 - 1937/7/11)とデューク・エリントン (1899/4/29 - 1974/5/24)は、どうも、お互い「相性が悪かった」のでは、と私は見ています。 二人のキャリアが公式に交錯するのは、ただ一度。 1929年7月からジーグフェルド劇場で上演された"Show Girl"のみです。 Florenz Ziegfeld フローレンツ・ジーグフェルド ( 1869 - 1932 :米 一介の音楽教師からブロウドウェイ・ミュージカルを生み出し、稀代の興行主に成り上がります)がプロデュースし、ガーシュウィン兄弟が音楽を担当し、ピット・バンドに入ったのはエリントン楽団。 当時、ガーシュウィンはブロウドウェイの売れっ子作曲家。 エリントンはハーレムのコットン・クラブで人気急上昇、売出中。 しかし、このミュージカルは堕作の烙印を押され、111回公演に終り、興行的にも失敗。日頃金銭的なことに拘らないガーシュウィンも、曲の出来が悪いからと印税の支払いを渋るジーグフェルドと大喧嘩になります。(結局、ジーグフェルが折れます) たとえ、ミュージカル自体が堕作でもガーシュウィンは、ここで"Liza"と言う名曲をきちんと残しています。 ともかく、エリントンとガーシュウィンがその後接触を持った形跡はありません。 因みに、エリントンは、"Porgy and Bess"について、こうコメントしています。 「壮大な音楽としゃれた劇。しかし、その二つがうまくかみ合っていない」 さて、若くして世を去ったガーシュウィンよりは長生きしたエリントンですが、彼は自身のオリジナル中心に音楽活動を続けますので、その後もガーシュウィンのレパートリーを採り上げることはほとんどありませんでした。 例外としては、Bethlehemレーベルが1956年に企画したオール・スター・キャストによる"Porgy & Bess"の全曲集のバック・バンドとして参加しています。 しかし、このアルバムでアレンジ、指揮を担当したのは、Russ Garcia でした。(後記、エラとサッチモの項参照) 今一つは、そのキャリアの中でも珍しいピアノ・トリオによる当曲の演奏です。 "Piano in the Foreground" (Columbia 61年) 私に言わせれば、出来はあまり良いとは言えません。 いずれにせよ、二人の巨人はただ一度の顔合わせ後、相手を無視する形でそれぞれの世界に磨きをかけていくのです。 面白いものですね。 さて、脱線が長くなりました。 では、ビッグ・アーティスト達の歴史的名演をピック・アップしてみましょう。 【 カヴァー曲 】 決して大ヒットとは言えなかったオペラの上演後、まっ先にこの曲をカヴァーしたのは、他ならぬ不世出のジャズ・シンガー Billie Holidayでした。 36年7月Vocalionへの録音。彼女はここでは持前の僅かなヴィブラートのみの唱法で、古き良きジャズ・スタイルのご機嫌なバックに乗せてのびのびとスウィングし、ジャズ・ソングとしての、この曲の魅力を引き出します。9月全米12位。"Lady Day: Best of" (Sony 01年)収録。 39年6月 ジャズ創世記の巨人Sidney Bechet シドニー・ベシェがソプラノ・サックスでTeddy Bunn のギターとハートフルに奏でた同曲は、今日まで続くジャズ・レーベルの名門、Blue Note の輝かしい最初のヒット曲となり、同社の基礎を築きました。 "Complete Blue Note 1939-1951 Master Takes"(Blue Note / Definitive 04年)収録。 49年11月、モダン・ジャズの開祖 Charlie Parker は、ノーマン・グランツのVerveに移籍を果たすと、かねてからの念願だったストリングスをバックに演奏。 "Charlie Parker With Strings: The Master Takes" (Verve) 商業主義に迎合したとか、ストリングスのアレンジがチープだとか、話題を呼びましたが、何といっても、バードが気持ちよく吹いていて、それが音色に顕れています。 20世紀を代表するジャズ・ミュージシャン、Louis Armstrong ルイ・アームストロングとジャズ・ヴォーカルの女王Ella Fitzgerald エラ・フィツジェラルドの共演盤。 ノーマン・グランツは56年に作成した"Ella and Louis"の成功に気を良くし、翌年には続編の"Ella & Louis Again"と"Porgy & Bess "をリリース。 個性の強い二人ですが、コーラスではエラが天衣無縫に歌うサッチモをうまくサポートしている様は微笑ましくも流石。 いずれも、ジャズ・ヴォーカルの傑作として名高いものです。 このアルバムでは、原則として男性の曲はサッチモ、女性の曲はエラが歌っていますが、この曲では交互に歌い、冒頭ではサッチモのトランペットも堪能出来ます。 アレンジは前年、前記Bethlehemの"Porgy & Bess"全曲集を担当したRussel Garcia。 ジャズ界の帝王、Miles Davis が、朋友のアレンジャー Gil Evansと組んだ発表した作品。 好評を博した第1弾"Miles Ahead"(Columbia 57年)に続く第2弾が、このオペラの曲集でした。(1曲だけ、ギルのオリジナルが含まれている) この後に名盤"Sketches of Spain"(Columbia 60年)が来るのですが、このアルバムを彼等のベストに推す意見も少なくありません。 ギルのペンに沿って18人の名うてのプレイヤー達は、ただマイルスのソロを引き立てるために見事なバックを演じきります。マイルスは当時追求していたモーダルなプレイを繰り広げ、霧のかかったようなそのトーンがオーケストラと融け合い、独自の美しさを見せます。 58年7~8月録音。今日なお、インストゥルメンタル・ジャズによる"Porgy and Bess"の最高傑作と評されている定番アルバム。 "Porgy and Bess"(Columbia ) ここでジャズを離れてRockの名盤を。 1967年7月の モンタレー・ポップス・フェスティヴァルでセンセーションを巻き起こしたBig Brother and The Holding Company のメジャー・デビュー・アルバムにしてラスト・アルバム。 "Cheap Thrills "(Columbia 68年) 全米 No.1 ボーナス・トラック付きでどうぞ。 このバンドの最大の「売り」は勿論、Janis Joplinのヴォーカルでしたが、メンバーが彼女のバック・バンド的扱いに嫌気を差して、解散してしまいます。 彼等の各地のライヴ・ステージから7曲が収録されたとの謳い文句でしたが、例えば、68年3月28日NYとクレジットされている、この曲を始め、どう聴いてもライヴとは思えません。 それはともかく、最初に聴いた時の衝撃は忘れられません。 まさに、唖然… 40年以上前、話題のアーティストが私の大好きな曲を歌うと言うことで勇んで聴いた途端、流れてきたサウンドに「こいつ、声帯が潰れてるんか、声域狭いんか?」と、天下の名曲を解体した、そのパフォーマンスに戸惑いを覚えました。しかし、聴き込むにつれ、全身で訴えかけてくるジャニスの迫力に圧倒され… バンドのアレンジ、演奏とも素晴らしく、「あの時代」が凝縮されている1曲です。 マイルス門下の優等生、Herbie Hancockがガーシュウィンの生誕100周年に作成したトリビュート・アルバム。 "ガーシュウィン・ワールド" (Verve 98年) 98年度グラミー賞最優秀ジャズ・インストルメンタル受賞したヒット作。 ハンコックらしく、「ひねり」があちこちに見てとれる。 曲は主として、"Porgy and Bess"から採られいます。 また、ガーシュウィンと親しかった作曲家として、M.Ravel、J.P.JohnsonやW.C.Handy(Part1「Summertimeの原曲探し」をご参照ください)の曲も。 しかし、エリントン(Cotton Tail)の選曲については違和感はあります。 たとえ、それが"I Got Rythm"のコード進行を元にしていると言う理由からでも、それはパーカーやロリンズ、モンクも同じことをしており、私としては前記のように、個人的には"?"です。 このアルバム自体の素晴らしさを認めるにしても、実は全くガーシュウィンらしくない。 これはあくまでハンコックがその豊富な人脈を駆使し、彼好みのテイストや実験精神でガーシュウィンを素材に作り上げた世界。 1日の終わりに、小粋で少しセンチメンタルなガーシュウィンの音楽に浸りたい…と言う時には、ふさわしくないかも知れません。 ところで、この曲でヴォーカルをとったJoni Mitchell はジャズ・シンガーとしても十分な実力があることを証明した素晴らしい出来です。ハーモニカでゲスト参加したStevie Wonderもいかにも彼らしい良い味を出しています。彼は件の"St.Louis Blues"にも参加。更にウェイン・ショーターまで参加している。 そして、ここでのジョニとハンコックの出会いが、彼に"Getz/Gilberto"(Verve 64年)以来のジャズ分野からのグラミー賞最優秀アルバムに輝いた"River:The Joni Letters"(Verve 07年)をもたらします。 →Part3 (Porgy and Bess) アフィリエイトのお知らせ 上記のアルバム・書籍等に関心のある方は、アルバム名をクリックすれば、リンクしている販売業者のサイトで詳細を確認できます。購入の判断等はご自身の責任でお願いします。 なお、本文末尾に2個のテキスト広告が表示されることがありますが、これはブログの運営会社エキサイトが行っているものであり、当ブログは全く関与しておりません。
by Eiji-yokota
| 2010-07-11 00:00
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